SAN JOSE通信Vol.45

 

「激しい風雨は雨季の到来のしるし」と思っていた私でしたが、どうやらそうでもなかったようでした。不意に雨が降り始めた日もあったけれど、ある日はピーカンの晴天でとても暑かったりして・・・。ここには、はっきりとした季節の変わり目がない感じ。衣替えという感覚もなく、ある日は冬の服、ある日は夏の服なのだ。毎日着る物が定まらない。ついでに、町行く人々の服装には統一感がない。私達がフリースを着込んでいる日でも、半そで短パンの人がいたりする。皮膚感覚の違いなんだろうか?そういう私も、今日は短パンだった。ついでに、サングラスは欠かせないアイテム。これなしでは、送り迎えに行けないくらい日差しがまぶしい。

 

木曜日、旦をキンダーに送っていったパパからいつもの報告の電話がない。そろそろ言を送りに行こうか、と思っていた矢先、電話が鳴った。「く・・車が動かないんだ・・・。9時にお客さんが来るから、会社まで送って。」とパパ。言のプレスクールだって9時からなのに、と思いつつ駆けつけ、カンパニーカーをキンダー前に置き去りにして会社に向かう。家からおよそ2・30分の場所にあるのです。会社には9時少し前に到着。パパが降りてからは、私が運転。でも、会社まで来たの初めてなのよね〜。言の遅刻も明らかだし、結構慌てていた。地図で位置確認をして出発。「Central ExwyからLawrence Exwyに乗り換えれば簡単だわ」とホッとしたのもつかの間、Empty Lampが付き始めた(>_<)ひょえ〜!急にランプが気になりだして、肝心なところでLawrence Exwyを通り越してしまった。戻るに戻れず、かなり先まで行った所でGas Stationを発見して給油。とりあえず一息。もう遅刻だろうが、道間違えようが、ガソリンがなくなって止まる事に比べたら何てこたぁない!と思う。ここからは折り返して無事に(?)30分の遅刻で、言はプレスクールにたどり着いたのでした(^^;)

 

最近どうも「目の前の車が事故を起こす」という事が多い。このときもCentral Exwyの合流のところで、ノロノロと入ってきた車に、私の前の車が思いっきり突っ込んだ(>_<)前回と違って、他車線に避けられず急ブレーキで止まった私。あと5センチ・・・というところで間一髪。後ろで言は「危ないじゃないかー」とブーイング(^^;)つい先日も、目の前の丸太を積んだ車が、ヨロヨロと隣の車線のトラックに数回接触しながら走り続けて慌てました。このままもらう事故がないことを祈る

翌金曜日は、オーナーが我が家をチェックに来る日。壁のシミは、かなり良い具合に落ちてきました。いやはや、子供(正確には言)の視線の高さで部屋を見渡すとおかしなことがいっぱい。ピアノの鍵穴には、粘土が詰まっている。エアコンの送風口には、ブロックが詰まっている。扉タイプのブラインドを開けると、サッシにトーマスが連なっている。狭い隙間を覗き込むと、必ず何かを発見出来ました(^^;)そんな物たちを取り出したりしながら、家中の大掃除。これでよし!という段階で、管理会社から電話。「今日はオーナーの都合が悪くなったので、また後日に」と・・・・。ま、パパは会社を休んで車の修理に東奔西走していたので、結果的には良かったのだけれど。

 

この金曜日、オーナーのチェック以上に私達が緊張していたのは、旦のConferenceだった。キンダーが始まった頃は毎日がミニカンファレンス状態だったのですが、最近はキンダー後にESLがあるため、私がMiss Sanfilippoに会う機会はあまりない。その分Jayneから、旦の報告をうけるのだけど。その報告は、ほめてもらえる時もあれば、真っ青の時もある。旦は、一時キンダーで泣きつぼにはまるようになっていた。始めの頃は「ジャケットを忘れた」「クレヨンの色を間違えた」とかの理由だったので、私もMiss SanfilippoもJayneも「『Jacket』『Black』とかの様に、たった一言キーワードを先生に伝えなさい。」と半分同情しながらたしなめていた。本人も納得して解決していたのだけれど、しばらく納まっていた「泣く」ということを、先日久しぶりにやったらしい。今回はキンダーが終わるまでずーっと。発端は、黒のクレヨンが欲しくて「Black!」と叫んだことだった。当たり前だが、先生に怒られた。そして泣き始め、何か言われるごとにどんどん激しく泣き、号泣状態だったようだ(^^;)ESL後、Jayneが疲れきった表情で「We had a problem.」と話し出した時は、私自身も「参ったことになった」と感じた。授業中集中していない、時々Sillyなダンスをする(旦の真似して踊るMiss Sanfilippoの姿に、神妙な顔して聞きつつも噴出しそうになった不謹慎な私・・・(^^;))、欲求を通すために叫ぶ、行動がいつも遅れる・・・・。場所をわきまえない行動で、皆に迷惑をかけているのだ。

 

さてさてカンファレンスの日。約束の2時にクラスに行くと、午後のクラスが行われており、その中を通りながら奥の部屋に通された。事前に生徒達は同じ課題をさせられていて、その結果が「Kindergarten Progress Report」という表にまとめられていた。Consistently、Generally、Not Yetの3段階。これに基づいて話が進められるのです。道具(はさみ・鉛筆のグリップ・筆圧・作品製作など)に関しては、言葉は関係ないので全てクリアしていた。問題なのは、要するに生活態度なのである。とにかく集中力に欠けている・・・と。Miss Sanfilippoが「旦には『学校は勉強をしに来る所』と教えてほしい。遊ぶ時は遊ぶ。勉強する時は勉強する。その区別をつける必要がある。」とおっしゃった。もっともである。今まで怒られてきたことも、全て同じ理由からだった。その辺りの感覚が、まだ旦は幼い。まだ5歳だし・・・というのは通用しないのだ。このキンダーで今後やって行くためには、こういう社会のルール(大袈裟ではない)を分からせなければならない。と、まぁ、かなり大きな課題をお持ち帰りしたカンファレンスだった。結局、一人20分の枠のはずが、50分も話し合っていた。最後に渡された「Report Card Comments」に書かれていた事を要約すると、

 

『旦は英語を話すことも、理解することも出来ない状態でKinderに入ったけれど、外遊びで他の子供達と遊んでいる様子を通して、ボキャブラリーが増えていることがわかる。外遊びの時、旦は知っている言葉を使って話しているのに、クラスの中では、私が言う事をまるで全く理解出来ていない様な行動をとる。何かをする度に、まだいちいち促してあげないと出来ない。もう、このレベルを越えるべきだ。何とかして、なぜ学校に来ているのか理解させなければならない。彼にとって、それがしばしば「困難である」ということは理解しているが、good behaviorをすることで、その困難を乗り越えなければならない。』

 

文は厳しいけれど(いやぁ、実際本当にキビシイ先生なのだが(^^;))、Miss Sanfiloppoは旦のことを受け持った以上は責任もって面倒を見る、という点はすばらしい。この点については、いつか触れたいと思う。カンファレンスから帰宅して、パパと旦は男同士の話し合いをしていた。どうやら『学校(集団生活)にはルールがある』『先生の話はちゃんと聞く=集中する』という内容だったようだ。私達親も、先生に言われるまで気付いていなかったことがあった。それは「なぜ、何をしに学校に行くのか」ということを旦と話したことがない、という事。日本の幼稚園では考えられないかもしれないが、やはりアメリカのキンダーは義務教育。楽しいだけではやっていけないのである(勿論社会性を身につけるという点では、同じだと思う)。これって、ここのキンダーに入ったからなのか、それともこの先生だったからなのか、それともアメリカのキンダーはすべてそうなのか・・・・分からない。しかし、ここを肝に銘じてついていかなくてはいけないのだ。だって、もしこのままでは「午前は違う学校に行き、午後にこの学校に戻ってくるという事にしてもらうかもしれない」とまで言われたのだから。

 

男同士の話し合いは、結構効いたようだった。いつもの様に我がままを言った時に「パパとお話したこと忘れたの?」と言うと、神妙な顔つきに。きっと、週末にパパがカミナリを落としたことで、パパの地位(?)が格段にアップしたのもあると思う(一気に我が家の怖い者順位のTopが私と入れ替わった(^^;))。矢川家も「地震・カミナリ・火事・オヤジ」ってな路線になるのは理想的だわ。ベッドで「学校にはルールがある。先生の言うことはちゃんと聞く。」と復唱している旦を見ると、何だかいじらしい様な、可愛そうな様な気にもなる。色々な意味で、もっと伸び伸びさせてあげたいと思うが、とりあえずルールはキンダー以外にも存在するものであって、そういうものの存在を知るのは大切だと思った。その為にも、思いっきり発散する時間を作ってあげるのが私の役目だとも思う。そうそう、カンファレンスで何か褒めてもらったことあったかなぁ〜?っと考えていて思い出したこと。ある日旦がI see an owl.とセンテンスを書いたので「これはすごい進歩!」と感動した、とか、旦はハンサムだ(何だか突然聞いてもいないのに言われて、パパママ返事が出来ずに聞き流してしまった・・・どうやら外人には受ける顔のようだ)とか、テープで流して聞かせたStoryの絵を描くという事が出来るようになった、とか。

 

気付けば、今月は通信を2回しか書いていませんでした・・・。そして今週木曜日(28日)はTHANKSGIVING DAY言のプレスクールでも、明日行事が行われるようです。今度はクッキー係にサインアップ。旦は今日クラスでPilgrimNative Americanの扮装をして写真を撮ったようです(ちなみに旦はPilgrimでした)。もう一つ余談。旦の学校では「Crazy Hair Day」でもありました。対象はエレメンタリーの子供達だったので、旦はいつもどおりの髪型で登校。しかしBest Friendのマヒューは紫色の髪の毛でやって来たらしい。帰宅した旦が「メヒューはYellowのHairなのに、今日はPurpleだったんだ。どうしたんだろう?」と不思議そうに話してくれました(^^;)

 

さて、このHoliday矢川家はどうやって過ごそうかしら・・・。街中は、ターキーの売り出しの宣伝と平行してクリスマスの飾り付けや商品も売り出し始めている。あっという間に今年も終わってしまうな・・・と感じる日々である。

 

いちほ(11/26/02)

 

PS1 週末、久しぶりにお出かけをした。San MateoというSF空港に近い市にあるSan Mateo Central Park」。いつもとは違う公園で、家族で思いっきり遊びました。San Mateoって、私達が住んでいるところより、ちょっぴりお洒落な感じ。ダウンタウンはサンノゼよりもこじんまりと洒落ていて、帰りにはスターバックスでくつろがせてもらいました。何だかしあわせ♪だった。

 

公園の中にあったミニトレイン

公園の中にあった日本庭園

ちっちゃな滝

 

色々なタイプの遊具がありました

遊んだ後はスタバでクリーム

 

PS2このところ、風呂の時間はまるで旅の一座のよう。始まりはLess Than通信(11月13日分)の方に書いたけれど、それ以降も続いている。最近はネタも切れたようで、こんな調子・・・

 

 A is for Apple (つかみはOK)

A・P・P・L・E!Apple!(シャウト気味にこぶしを振り下ろす)

Everybody say together! (いつの間にか、ESLの先生になってしまったようだ(^^;))

Apple! (かなり絶叫)

・・・・・・・(耳に手をやり、周りの音を聞く)

Apple! (再び絶叫)

・・・・・・・・(耳に手をやり、周りの音を聞く・・・どうやらファンとの掛け合いらしい)

Don’t do that! (いきなりお叱りの言葉)

Don’t stop!(えっ?止まるな?)

Go ahead!This way! (どうやらMiss Sanfiloppoになっていたらしい(^^;))

NoNoNoNoNoNoNoNoNo (段々盛り上がって最高潮に達する!)

・・・Oh〜my・・・ (溜めて溜めて〜・・・悲壮な顔で吐き出すように)

Thank you very much (どうやら演目は終わったらしい・・・胸に片手をあてて深々とお辞儀)

I pledge allegiance to the flag of the United States of America・・・・省略

(なぜか始まる忠誠の誓い・・・かなり得意げ) 

 

もう誰も彼のことは止められない・・・

一方この間、言は何をしているかというと・・・最初は笑っていたのだけれど、最近は「僕も何かしないと」と思ったようで、腹鼓を打って合いの手を入れている(^^;)

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