SAN JOSE通信Vol.87

 

昨晩旦の学校でScience Fairが行われました。昨年参加したいと思った彼の気持ちは1年経っても変わらず、念願かなって今年は参加することに(昨年の様子はこちら)。

 

参加表明をする時点でタイトルと概要を提出しなくてはならなかったので、旦と科学図鑑をめくって考えました。大まかに言えば、「REDBLUEが混ざるとPURPULEになる」という様なに関する実験。これにコマを使うことにしました。この時点では、大体の構想が私の頭に出来上がっていました。

 

Primary Colorと呼ばれるREDBLUEYELLOWを、それぞれ混ぜるとSecondary Colorと呼ばれるPURPULEGREENORANGEが出来上がる・・・という結論にする予定だったのに、実際にコマを作って実験してみると、何だか思った結果が出ない。BLUEYELLOWを交ぜても、YELLOWのままなのである。実験前に書き上げたバックボードの案は、一からやり直し。でも、何でうまく行かないのか分からない。いっそ絵の具や粘土での実験に変えてしまおうか?と思うものの、もう概要を提出してあるので変更は不可能。

 

ここで私のサイエンスオタク生活開始(苦笑)。きっと読んでいる皆さんは、何故↑の様な結果になってしまったのか理由が分かっていると思います。私の無知加減に呆れていらっしゃると思いますが、もしかしたら私と同じように「何で?」と思われた方の為に、説明をしますね。

そもそもの世界には、ペイントによるものとによるものがあるのです。私が始めに考えていたREDBLUEYELLOWというPrimary Colorは、ペイントの世界のもの。の世界のPrimary Colorは、REDBLUEGREENなのです。従ってSecondary Colorも、MAGENTACYANYELLOWとなります。の世界では、全ての色が混ざるとになってしまいます(ペイントの世界では、全て混ざると灰色になるから大違いです)。太陽だって色々な色を発しているけれど、私たちの目に入ってくる色はですよね。

 

余談ですが、それでは私たちはどうやって物の色を判別しているのでしょうか?例えば赤いりんごをと認識するのはどうやって?りんごの表面を太陽の目に見えない光が照らします。いりんごの表面は、色に一致した色以外の全ての光の光線を吸収してしまうのです。そしてい光だけが反射して私たちの目の中に飛び込んで来ます。い光を目で受け取り、脳にメッセージを送り、初めて私達は物質の色を認識するのです。

 

というわけで、旦の実験は、視覚に関するものなのでの方の色の世界でした。に書いたようなことは、1stGradeの子供が書くには難しすぎるので、結局はほんのさわりしか発表しなかったのですが、ここまでの母の紆余曲折の長いこと長いこと。一体誰の為の発表なのでしょうか(苦笑)。息子抜きで色々とサイエンス本を読み漁ったり、インターネットを駆使して何とかバックボードの案も仕上がりました。ここからは再び旦も参加して、一緒に実験をし、発表の練習も1回だけしてみました(後に練習しなかった方が良かったと感じるのですが・・・)。直前に配られた用紙によると、一人一人発表するのではなく、各々訪れる人々の質問に20分間答えるというものでした。

 

何だか前置きが長くなりましたが、当日の様子など。今年はとっても混雑しており、出展者も多かった気がします。昨年までは、バックボード(研究内容を書く3面のボード)は自分達で用意しなくてはならず、市販の物からダンボールまで、形も色も個性あるものが多かったのでした。今年はスポンサーが付いたので、発表者には一律同じ白いボードが支給されました。結構な大きさです。背景が白いので、上手にポイント色を使わないと寂しげな感じになるし・・・ちょっと悩んでしまいました。

 

Science Fairの時間配分は、夜7:00から15分間Principalの挨拶があり、7時15分〜7時35分がKinder&1stGradeの質疑応答。7時35分〜7時55分が2ndGradeと3rdGradeの質疑応答。7時55分〜8時15分が4thGradeと5thGradeの質疑応答。8時30分が終了時間です。

 

さてさて旦の様子ですが、狭い会場に大勢が押しかけたので、ひっきりなしに誰かがやって来ます。大体見に来た人はバックボードを読んでテーマや結論を分かっているので、実験をしたり、裏話を聞きたいだけ。なのに、いちいち「My name is Ashita Yagawa. My title is COLOR TOPS. I’m in #13. My teacher is Mrs. Ruddy.」と、大声で話す旦。それがPROBLEMMATERIALSPROCEDUREEXPERIMENTCONCLUSIONまで、延々と続きます。お客さんたちは次々に床でコマ回しを始め、旦の話がCONCLUSIONに行き着く前に次の展示物へと移動して行きます。しまいには、誰かがコマを回している間にも訪れる人が増える度に、ご丁寧に「My name is・・・・」から始める彼は、完全に選挙演説をする人の様に名前の連呼状態(苦笑)。たった1回だけやった発表練習の時に、「名前もちゃんと言うのよ」などと余計なことを言った母の言葉を、忠実に再現した結果(滝汗)。

 

準備段階:TOPの型取り

誰の発表なの?

結構盛り上がったね

しゃべり疲れ

真っ赤な顔をしながら説明をしていた旦でしたが、展示物は結構人だかりが絶えず、皆面白そうにコマを回したり質問をしてくれたりしました。説明する旦の横で、「Look at me!See?」と大声を張り上げて、お客さんにコマを回してみせる言。一体誰の発表なのだか・・・。

 

 

実際は、Science Fair ProjectなるHow to本が多く出回っており、それを使っている子供がとても多かった。それならもっと簡単だったわ〜。ですから、電流・磁石・火山(今年も沢山ありました)・浮力・嗅覚等など、テーマも手法も似たものが多く感じました。その中でも、独自性があって面白かったものをちょっと紹介してみます。

 

@

A

B言実験中?

C

 

 

@    GRAFFITI・・・何故人は落書きをするのだろうか?という事がテーマなのですが、色々なところに書かれた落書きの写真を見るだけでも面白い。更に可笑しかったのが、結論として「私は何故だか分かりませんでした。でも落書きをする人はRudeだと思うし、違法行為なので、落書きはいけない事だと思います」と書いていたこと。う〜ん、こういうのもアリなのかぁ〜。面白くて、一番真剣に読んでしまった展示物でした。

 

A    TWINS:ARE WE THE SAME?・・・ツインである姉妹の共同展示物。それぞれの身長・体重などの身体的特徴と、好きなもの・嫌いなものなどの嗜好を各々が書き、最終的に結論を出しています。その結論は、「ツインシスターズは、必ずしも同じというわけではない・・・というよりも、違う人間なのだもの」でした。コレが言いたかったのだろうな〜、何て微笑ましく思いながら読みました。

 

B    BLOWING UP A BALOON・・・これは単純に、バナナを使ってバルーンを膨らまそうという発想が面白かった。かなり熟したバナナを、口の狭いビンに入れて日向に置いておきます。数日経ったら、ちゃんとバルーンが膨らんだという写真付でした。

 

C    HOW FAST CAN MY HAMSTER FIND A PEANUT?・・・ハムスターは、聴力・味覚はOKで、視力は乏しいけれど嗅覚は優れているという事だけ知っている、という女の子がやってみた実験。まず最初に、箱の中にハムスターとピーナッツを置き、ハムスターがピーナッツを手に取るまでの時間をストップウォッチで計ります。それはものすごい速さだったそう。次に、同じ箱の中にハムスターと紙皿をかぶせたピーナッツを置き、同じように時間を計ります。何回か繰り返した結果をグラフ表示し、「やっぱり、ハムスターの視力はPoorだけれども、嗅覚は優れている」とまとめていました。

 

 

 

とにかく展示物が多い上に回る時間が限られていたので、ゆっくり全てを見て回ることが出来なかったのは残念(言が走り回ったり、気に入った展示物の実験をやろうとするのも、ややこしかったのですが)。子供のプロジェクトの手伝いをしているうちにScience Fairに関する本やWebサイトがとても多いことを知りました。それだからこそ、駆け足ながらも、こういったの様なオリジナルのアイディアによる展示物に自然と目が行ったようです。高学年生は、電流やLEGOの模型を使ったものも多く、それだけでも見ごたえがありました。

 

いちほ(3/5/05)

 

PS.今日は「Fairy Tale Ball」が行われました。この様子は、また後日。

 

 

■□■  おまけ  『参考までに』  ■□■

 

今回私が参考にしたサイト:

http://www.sanford-artedventures.com/study/study.html

http://home.att.net/~RTRUSCIO/COLORSYS.htm

http://www.scholastic.com/magicschoolbus/games/teacher/color/index.htm

http://www.colormatters.com/entercolormatters.html

http://school.discovery.com/sciencefaircentral/

 

今回私が参考にした本:

Science Crafts for Kids(Gwen Diehn & Terry Krautwurst

101great Science experiments(Neil Ardley

 

もっともっと沢山の本やサイトを利用したのですが、バックボードが出来上がった時点で忘れてしまいました(苦笑)。図書館・本屋・Webサイトを利用すれば、沢山アイディアを得られます。私たちも概要を提出する前にこういった情報に気付いていれば、もうちょっと楽だったと思います。とはいえ、母子共に良い経験になりました。

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