SAN JOSE通信Vol.16

 

水曜日、お迎えに行くと旦は椅子に座らせられていました。本来ならば、皆で円になって目をつぶって床に座り、迎えに来た者が子供の頭をポンッとたたくまで立ってはいけないことになっています。一瞬なんで椅子に?と思ったけれど、あまり深くは考えずに旦に近寄ろうとしました。すると先生がやって来て、「旦は今日お友達とけんかをして、相手を突き飛ばしたりひっくり返したりした。暴力はいけない。その罰として、今日は彼をずっと椅子に座らせていました。だから今も彼は椅子に座っているのよ。」とおっしゃいました。タイムアウト制です。こちらでは子供が悪い事をすると、違う部屋に連れて行ったりして、子供に反省を促すそうです。旦は私を見つけるなり、やっと見方が来たと思ったのか抱きついた来ました。詳しいいきさつが分からなかったので、クラスの外で旦に事情を聞いてみるものの、旦はただ「先生が怒って、旦くんにずっと座っていなさいって言ったんだ。すごく悲しかった。」としか言わない。「だから何で怒られたの?」と聞いても、らちが明かない。とにかく先生がかつてない怖い顔をしていたのが気にかかって、一緒に謝りに行く事にしました。しばらくして帰ろうとする先生の一人を見つけ、旦が走り寄って行った。最初はモジモジしていたけれども、きちんと「I'm sorry」と言えました。先生はとっても嬉しそうな顔をして、「Thank you,ASHITA. I appreciate your courage.」と言ってくださいました。おかげで少し気が楽になりましたが、なんだかモヤモヤ・・・。すると一部始終を見ていたWilliamのママが、「大丈夫よ、座らされていたのは旦だけじゃないわよ。あと二人いたんだって。先生はしていいこと、してはいけないことに関しては厳しく教えるのよ。でもね、この位の年齢の子には難しいわよね。」と声をかけてくれた。彼女のおかげで気を取り直し、子供達はいつもの様に外遊びを始めました。しばらくして、Williamがカタツムリを見つけ、嬉しそうに私に見せにやって来ました。旦もやって来て触ろうともみ合っているうちに、カタツムリが落ちて殻が割れてしまい、Williamは泣き出してしまったのです。旦は慌てて「I'm sorry」を繰り返していたけれど、Williamは泣き止まず、Williamのママが代わりに「It's OK. This is a baby snail.(大丈夫よ。これは(殻が柔らかい)赤ちゃんのカタツムリなのよ)」と言ってくれました。結局、気まずいまま別れる事に。ダブルパンチでどんより気味の私以上に落ち込んでいたのは旦で、帰宅後必死にカタツムリ探しを始めました。「Williamはもう旦くんとお友達にならないって言ってた?」と言いながら。翌日も探していましたが、カタツムリはいません。結局、金曜日にプレキンダーに行く前に運良く1匹見つけられ、ビニール袋に入れて持って行きました。当のWilliamはすっかり忘れていたようでしたが、嬉しそうに受け取ってくれました。良かったわ。

 

この金曜日は、Teacher Appreciation Day(日頃の感謝の気持ちを先生に表す日)でした。クラスマザーと呼ばれる、いわゆるクラス委員のお母様方は、持ち寄りのお料理で先生たちにランチをご馳走していました。私は前日に、電話で「それぞれの先生にお花や感謝カードを用意してきてください」という連絡があったので、お庭に咲いているバラを切ってラッピングして持って行きました。この電話ですが、こちらは日本の様に電話連絡網がありません。ですから電話も番号を知っているもの同士が適当に連絡するだけなので、当日に「あの、今日は何かお花を持ってこなければいけない日だったの?」と質問してきたママもいました。電話番号交換をしているお母さんがいて良かった、と胸をなでおろした私でした。

ついでにこの日は、パパが会社のあとゴルフをしてきました。夕方からハーフでやったようです。打ちっぱなしではありませんよ。良いですねー。日本では考えられませんね。これも夜8時半ごろまで明るいから可能なのでしょうね。

土曜日はパパの同期で、2年弱こちらに勤務(パパと建屋は違いますが)しているOさんという方と会いました。この方は、ご家族を日本に残しての単身赴任です。奥様が働いているとか他にもいくつか理由があっての単身赴任なのですが、1歳と2歳の男の子がいらっしゃいます。自分に置き換えてみて、うちよりも小さい、しかも男の子二人・・・。奥様の大変さを想像してしまいました。私達よりも一ヶ月早くに渡米していたパパは、(たまたまこちらに遊びに来ていたご家族も一緒の)O家にクリスマスパーティーに呼んで頂き、寂しいクリスマスを避けることが出来たのです。そのお礼がしたいといつも言っていたのですが、そのまま4ヶ月が過ぎてしまいました。というワケで、この土曜日に念願かなって我が家に来て頂く事になったのです。おまけにOさんの提案で、日中はCampbell downtownで行われるPrune Festivalに行き、そのあとはテニス、そして我が家で夕食となりました。

このPrune FestivalCampbellが世界的なプルーンの産地だった事にちなんで毎年行われているそうです。家具屋・洋服屋・民族グッズ屋・食事の屋台・インテリヤを売る店・tattooを入れる店・木工TOY屋・・・etc.何だか色々ある大きなFestivalでした。えっとプルーンはどこ?という感じでしたが、見つけました。Campbellには地ビールがあるらしく、いくつかのビールを売っていました。ここで大人はビールを買ったのですが、そのカウンターにFreeの小袋に入ったプルーンが置いてあったのです。ここ以外では全くプルーンの「プ」の字もありませんでしたが、とても楽しいところでした。そうそうこのビールやワインを売っているお店では「私はアルコール飲んでいます」の印として、手首に細長いアメリカ星条旗のシールをブレスレットの様に貼られました。ワイングラスやビールのコップを持つ人々は皆、このシールを手首にちゃんとしていました。他にもお巡りさんと写真を撮ろうというコーナーやmini trainでFestivalをぐるっと巡ってみよう、というコーナーもありました。

特設ステージではおじさんグループのバンド演奏があって、その前では女性達がノリノリでダンスしていました。私達は遠巻きに見ていたのですが、気づいたら旦もリズムに合わせて踊っていました。

また別のステージでは、素人カラオケ大会もやっていました。

gtr1_ani.gif 61x61 6.15KB

 

←踊る旦

 

私はここでflower onionというものを買って食べたのですが、とてもおいしかったです。作り方はいたってシンプル、たまねぎを専用の機械で一発でお花の様に縦に切れ目を入れます。あくまでも切れ目なのでバラバラにしてはいけません。これを油でカラッと素あげするのです。このカリカリで熱々のたまねぎを、ちぎりながらサワーディップをつけつつ食べるのです。

←こんな移動式ATMもありました。びっくり!

 

 

こちらはテニス邪魔しまくりの二人→

この後は、うちの近くのテニスコートでテニスをしました。日本と違い、こちらはコートの予約なんてしなくて良いのですよね。空いてればやれば良いし、空いてなければ混ぜてもらっても良いし、待ってても良いという感じ。私達が打っている間もひっきりなしに人が出入りしていましたが、誰も真剣にやるぞーって感じでもなく、ちょっと打って帰る、というとっても気軽な運動のようでした。子供達がしょっちゅうコートに乱入するのであまり長時間は出来ませんでしたが、日本にいた頃からやりたかったテニスを久しぶりに出来て嬉しかった。翌日の筋肉痛というおまけも、懐かしく感じてしまったのでした。

 

その晩は我が家で焼肉、気張って買った蛤がなかなか口を開かず、フライパンで加熱中に煙センサーが鳴るというハプニングもありましたが、子供達にとっても楽しい一日だったようです。何といっても記念すべき初めてのお客様でしたからね。この矢川家、常に誰かが叫んだり叱ったりと実に騒々しいので、物静かなOさんはきっとお疲れになったと思いますが・・・。

 

いちほ(05/20/02)

 

PS言の勘違い。彼はなぜか「Thank you.」に対する返事「You are welcome.」を「ハンバーグ」と間違って覚えている。私が「Thank you.」という言に「You are welcome.」と返すと「ハンバーグでしょ!」と訂正します。おいおい、君が間違っているんだってば・・・。

戻るHOME